アトピー性皮膚炎治療研究会第19回シンポジウム
アトピー性皮膚炎治療研究会第19回シンポジウムが、2014年2月2日に、広島大学皮膚科秀道広先生が会頭で開催されます(医師向けの研究会ですので、一般の方は参加・聴講は出来ません)。テーマは「ステロイド治療を総括する」です。
http://derma.med.osaka-u.ac.jp/atopy/2014/index.html
プログラムを見ますと、一般演題のほか、3つのワークショップから構成されています。それぞれ20分のキーノートレクチャーと、40分の全体ディスカッションが予定されています。
プログラムを見ますと、一般演題のほか、3つのワークショップから構成されています。それぞれ20分のキーノートレクチャーと、40分の全体ディスカッションが予定されています。
わたしは、ワークショップ2の竹原先生の「論点」を見て「あれっ?」と思いました。全体テーマが「ステロイド治療を統括する」であるにも関わらず、ステロイドにまったく触れられていないからです。
「脱ステロイドは過去のものであり、こういった研究会やシンポジウムで取り上げて蒸し返すべきではない」という持論によるのかもしれませんが、ご自身がそのような考え方だからといって、全体テーマから外れたキーノートレクチャーをするというのはおかしいです。どうしても議論したくないなら、そもそも引き受けるべきではありません。
「各サブテーマに基づいた「是非とも議論したい論点」を下記フォームにておよせください。多数の御意見をお待ち致しております。」とありましたので、下記のように要望を送りました。
=====
今回のテーマは「ステロイド治療を総括する」ですが、竹原先生の「アトピー性皮膚炎治療におけるガイドラインの役割」に記されている「論点」には、ステロイドに関するものが無く、テーマに沿ったキーノートレクチャーとは言えません。もしも、あくまで竹原先生の意向を反映した叩き台ということであるならば、事務局主導での修正を希望します。
平成22年3月10日付けで、私を含め7人の日皮会正会員の連名で、日皮会作成のガイドラインに、ステロイド外用剤の副作用として依存(Steroid addiction)やリバウンドの記述を付すべきだ、との要望書を内容証明郵便で日皮会あてに提出いたしました。また、その旨は、今回の会長である秀道広先生、古江増隆、竹原和彦先生はじめ、2009年のガイドライン作成委員9名に、個別に連絡申し上げました。
この問題について、ガイドライン作成委員会での検討はなされたのでしょうか?
ステロイド依存(Steroid addiction)とは別に、ステロイド抵抗性という問題もあります。そのメカニズムは近年、皮表の黄色ブドウ球菌の産生するスーパー抗原や、グルココルチコイドレセプターβの関与によることが、近年判明してきています。
これら、ステロイド外用剤による依存性・抵抗性という現象を踏まえたうえで、そのような状況に陥らないようなステロイド外用剤の使用方法を模索していく、あるいはその予防となる薬剤を開発していくことこそが、急務と考えますが、その前提として、まずはステロイド外用剤依存・抵抗性の警告をガイドラインに組み入れて、学会員に啓蒙していくことは緊急の課題です。
よって、「是非とも議論したい論点」として、私は「ステロイド外用剤依存(Steroid addiction)、抵抗性、リバウンドの存在を、警告として、ガイドラインに組み入れるべきではないのか?」 を提案いたします。
(通信事項)
近年、アメリカを中心として、TSA(Topical steroid addiction)の世界規模の患者連絡会が立ち上がっております(http://itsan.org/)。この問題は拡大することはあっても、立ち消えることは無いでしょう。問題から目をそらし続けることは、将来的に日皮会のみならず、ガイドライン策定に関わっている先生方の無作為を問う責任論に及ぶことも十二分に考えられます。そのようなことにならないよう、是非ともご検討いただきたいと考えます。
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「脱ステロイドは過去のものであり、こういった研究会やシンポジウムで取り上げて蒸し返すべきではない」という持論によるのかもしれませんが、ご自身がそのような考え方だからといって、全体テーマから外れたキーノートレクチャーをするというのはおかしいです。どうしても議論したくないなら、そもそも引き受けるべきではありません。
「各サブテーマに基づいた「是非とも議論したい論点」を下記フォームにておよせください。多数の御意見をお待ち致しております。」とありましたので、下記のように要望を送りました。
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今回のテーマは「ステロイド治療を総括する」ですが、竹原先生の「アトピー性皮膚炎治療におけるガイドラインの役割」に記されている「論点」には、ステロイドに関するものが無く、テーマに沿ったキーノートレクチャーとは言えません。もしも、あくまで竹原先生の意向を反映した叩き台ということであるならば、事務局主導での修正を希望します。
平成22年3月10日付けで、私を含め7人の日皮会正会員の連名で、日皮会作成のガイドラインに、ステロイド外用剤の副作用として依存(Steroid addiction)やリバウンドの記述を付すべきだ、との要望書を内容証明郵便で日皮会あてに提出いたしました。また、その旨は、今回の会長である秀道広先生、古江増隆、竹原和彦先生はじめ、2009年のガイドライン作成委員9名に、個別に連絡申し上げました。
この問題について、ガイドライン作成委員会での検討はなされたのでしょうか?
ステロイド依存(Steroid addiction)とは別に、ステロイド抵抗性という問題もあります。そのメカニズムは近年、皮表の黄色ブドウ球菌の産生するスーパー抗原や、グルココルチコイドレセプターβの関与によることが、近年判明してきています。
これら、ステロイド外用剤による依存性・抵抗性という現象を踏まえたうえで、そのような状況に陥らないようなステロイド外用剤の使用方法を模索していく、あるいはその予防となる薬剤を開発していくことこそが、急務と考えますが、その前提として、まずはステロイド外用剤依存・抵抗性の警告をガイドラインに組み入れて、学会員に啓蒙していくことは緊急の課題です。
よって、「是非とも議論したい論点」として、私は「ステロイド外用剤依存(Steroid addiction)、抵抗性、リバウンドの存在を、警告として、ガイドラインに組み入れるべきではないのか?」 を提案いたします。
(通信事項)
近年、アメリカを中心として、TSA(Topical steroid addiction)の世界規模の患者連絡会が立ち上がっております(http://itsan.org/)。この問題は拡大することはあっても、立ち消えることは無いでしょう。問題から目をそらし続けることは、将来的に日皮会のみならず、ガイドライン策定に関わっている先生方の無作為を問う責任論に及ぶことも十二分に考えられます。そのようなことにならないよう、是非ともご検討いただきたいと考えます。
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くどいようですが、この要望を書いて送ることが出来るのも、当然ですが、参加を前提とした医師に限られていると考えられます。患者や一般人の皆様でも、書いて送ることの出来る公開フォームになっているので、誤解を招きやすいような気がしますが、間違って一般の方が要望を送ってしまうことの無いようにお願いいたします。
さて、「アトピー性皮膚炎治療研究会」というのは、次回で19回になるとのことです。実は、第一回、1996のときには、私も、現阪南中央病院の佐藤先生(当時は名市大助教授)も、口演しています。
(プログラムは→こちら)
たしか、当時羽曳野病院の青木先生からの依頼で、佐藤先生は「アトピー性皮膚炎における症例研究の問題点」、私は「カラー写真によるアトピー性皮膚炎の皮疹の評価」というテーマを与えられてのものでした。
たまたま、動画を撮っていた方から供与いただきましたので、YOUTUBEにUPしました。当時の佐藤先生や私の考え方がわかると思います。
私が脱ステロイドの患者を診るようになったのは、動画中でも言っていますが「ステロイドを中止してくれる患者がいるのならば、他の悪化要因の関与を解明する上で、むしろ好都合ではないか?」という発想からでした。ところが実際には、ステロイドを中止することだけで、リバウンドを経て良くなってしまう患者が予想以上に多かったのです。ステロイドが悪化要因そのものだったわけですね。
「予想以上に」というのは、それ以前に、佐藤先生の発表を聞いたことがあり(確か佐藤先生が名市大助教授に就任して間もない頃ですから1994年頃です)、その際に「ふうん、ステロイドを止めて良くなるなんて、そんな例もあるのかなあ?」くらいの認識だったのですが、実際に自分が取り組んでみて、これほど脱ステロイドで良くなる=ステロイド皮膚症に陥っていた患者が多いとは思わなかった、ということです。
佐藤先生の1996年の発表の動画は→こちら
私の1996年の発表の動画は→こちら
2013.08.06
さて、「アトピー性皮膚炎治療研究会」というのは、次回で19回になるとのことです。実は、第一回、1996のときには、私も、現阪南中央病院の佐藤先生(当時は名市大助教授)も、口演しています。
(プログラムは→こちら)
たしか、当時羽曳野病院の青木先生からの依頼で、佐藤先生は「アトピー性皮膚炎における症例研究の問題点」、私は「カラー写真によるアトピー性皮膚炎の皮疹の評価」というテーマを与えられてのものでした。
たまたま、動画を撮っていた方から供与いただきましたので、YOUTUBEにUPしました。当時の佐藤先生や私の考え方がわかると思います。
私が脱ステロイドの患者を診るようになったのは、動画中でも言っていますが「ステロイドを中止してくれる患者がいるのならば、他の悪化要因の関与を解明する上で、むしろ好都合ではないか?」という発想からでした。ところが実際には、ステロイドを中止することだけで、リバウンドを経て良くなってしまう患者が予想以上に多かったのです。ステロイドが悪化要因そのものだったわけですね。
「予想以上に」というのは、それ以前に、佐藤先生の発表を聞いたことがあり(確か佐藤先生が名市大助教授に就任して間もない頃ですから1994年頃です)、その際に「ふうん、ステロイドを止めて良くなるなんて、そんな例もあるのかなあ?」くらいの認識だったのですが、実際に自分が取り組んでみて、これほど脱ステロイドで良くなる=ステロイド皮膚症に陥っていた患者が多いとは思わなかった、ということです。
佐藤先生の1996年の発表の動画は→こちら
私の1996年の発表の動画は→こちら
2013.08.06
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