クロフィブラート軟膏のパイロットスタディ・ケース11、12
4週間の試用を終えた11例目の方のケースレポートです。 40才台女性、ステロイド外用歴39年、中止後3年。
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【経過】中止前は10年間連日外用、効かなくなって中止。
【診断】依存・リバウンドの可能性あり。
【使用した軟膏】
0 week →2 weeksクロフィブラート入り軟膏15g
2 weeks →4 weeksクロフィブラート入り軟膏35g
【VAS判定】
患者側 0 week : 85、 2 week : 70、 4 week : 50
医師側 0 week :68、 2 week : 50、 4 week : 35
【総合判定】
クロフィブラート軟膏奏効。
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写真経過は下のようです。皮疹的には、リバウンドというよりは、通常の(古典的)アトピー性皮膚炎です。経過から「依存・リバウンドの可能性あり」としました(ケース2に似ています)。
軟膏の使用量は少ないですが、よく効いています。
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【経過】中止前は10年間連日外用、効かなくなって中止。
【診断】依存・リバウンドの可能性あり。
【使用した軟膏】
0 week →2 weeksクロフィブラート入り軟膏15g
2 weeks →4 weeksクロフィブラート入り軟膏35g
【VAS判定】
患者側 0 week : 85、 2 week : 70、 4 week : 50
医師側 0 week :68、 2 week : 50、 4 week : 35
【総合判定】
クロフィブラート軟膏奏効。
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写真経過は下のようです。皮疹的には、リバウンドというよりは、通常の(古典的)アトピー性皮膚炎です。経過から「依存・リバウンドの可能性あり」としました(ケース2に似ています)。
軟膏の使用量は少ないですが、よく効いています。
次いで12例目。 19才台女性、ステロイド外用歴5年、中止後3年。
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【経過】 海外からの帰国子女。向こうではまったくアトピーは出なかった。
【診断】 アトピー性皮膚炎。
【使用した軟膏】
0 week →2 weeks白色ワセリン15g
2 weeks →4 weeksクロフィブラート入り軟膏35g
【VAS判定】
患者側 0 week : 75、 2 week : 50、 4 week : 45
医師側 0 week :35、 2 week : 20、 4 week : 20
【総合判定】
白色ワセリン奏効、クロフィブラート軟膏奏効。
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写真経過は下のようです。皮疹的にも、経過からも、通常の(古典的)アトピー性皮膚炎です。
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【経過】 海外からの帰国子女。向こうではまったくアトピーは出なかった。
【診断】 アトピー性皮膚炎。
【使用した軟膏】
0 week →2 weeks白色ワセリン15g
2 weeks →4 weeksクロフィブラート入り軟膏35g
【VAS判定】
患者側 0 week : 75、 2 week : 50、 4 week : 45
医師側 0 week :35、 2 week : 20、 4 week : 20
【総合判定】
白色ワセリン奏効、クロフィブラート軟膏奏効。
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写真経過は下のようです。皮疹的にも、経過からも、通常の(古典的)アトピー性皮膚炎です。
この治験をしていて、「白色ワセリンで効く人なんているんですか?」と尋ねられることがありますが、効く人はこのようにはっきり効くんです。だから、二重盲験をしなければ、本当にクロフィブラートが効いているのか、基剤のワセリンが効いたのか判定できないです。
はじめの2週で白色ワセリンに当たって「奏効」した方は、次の2週のクロフィブラート軟膏の判定が難しいのですが、この方の場合、二重盲験にも関わらず、「前の軟膏と2回目の軟膏は違う。2回目のほうが効く」とはっきり当てたので、「クロフィブラート奏効」としてよさそうです。
お二人とも、2週間の休薬ののち、一年の長期外用試験を行います。
以上、ケース11、12を加えた今までのまとめ(n=12)は、
白色ワセリン 有効 2 無効 4
クロフィブラート軟膏 有効 5 無効 1
となります。
~~~~~~~~~~~
さて、香港から、PPARγの内服薬であるAVANDIAが届きました。
はじめの2週で白色ワセリンに当たって「奏効」した方は、次の2週のクロフィブラート軟膏の判定が難しいのですが、この方の場合、二重盲験にも関わらず、「前の軟膏と2回目の軟膏は違う。2回目のほうが効く」とはっきり当てたので、「クロフィブラート奏効」としてよさそうです。
お二人とも、2週間の休薬ののち、一年の長期外用試験を行います。
以上、ケース11、12を加えた今までのまとめ(n=12)は、
白色ワセリン 有効 2 無効 4
クロフィブラート軟膏 有効 5 無効 1
となります。
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さて、香港から、PPARγの内服薬であるAVANDIAが届きました。
東京農大の論文(→こちら)を見ますと、動物実験は内服(マウス:10mg/kg)で行われており、外用は行われていません。培養実験は10-50μMで行われています。AVANDIAの成分であるrosiglitazone maleateの分子量は474ですから、10μMは、4.74mg/Lです。1錠が4mgですから、1錠を1L(約1kg)のワセリンで混ぜてやればだいたい10μMです(白色ワセリンの比重は0.8~0.9)。クロフィブラートのときと同じく念のため10倍濃度として1錠を100gで混ぜて、「0.005%(w/w)ロシグリタゾン軟膏」とすればいいでしょう。
まず、自分に外用して一次刺激(かぶれ)確認して、次にスタッフの軽いアトピーの子供さんに試用してもらって、次にクロフィブラートが効きにくかった方で希望される方に試してみてもらおうと考えています。
2012.09.09
まず、自分に外用して一次刺激(かぶれ)確認して、次にスタッフの軽いアトピーの子供さんに試用してもらって、次にクロフィブラートが効きにくかった方で希望される方に試してみてもらおうと考えています。
2012.09.09