クロフィブラート軟膏の販売始めます
クロフィブラート軟膏の販売を私のクリニックで始めます。
ただし、これは化粧品ではなく、医薬品(自家調製)になりますので、販売ではなく、診察をした上での処方という形をとらなければなりません。「化粧品」として通販したら違法です。
そこで、電話(052-264-0212)で御予約の上、とにかく私のクリニック(名古屋市中区千代田5-20-6 鶴舞公園クリニック)まで一度足を運んでください。カルテを作成して、皮疹がアトピー性皮膚炎(またはステロイド皮膚症)であることを私が確認したうえで、クロフィブラート軟膏を販売します。これなら医師である私が「診察」した上での「処方」となりますから合法です。
申し訳ないですが、その際に私は、皮疹の確認以外のことはしません。クロフィブラートの販売のための最低限の「診察」と考えてください。ステロイド使用の有無も尋ねません。私に診てもらっていろいろ聞きたい、尋ねたいという方もいらっしゃるかと思いますが、私は、過去にそういったことに集中しすぎて心身を壊した人間です。私自身への負担を減らすためです。御了解ください。
海外在住の方は、Dr. Fukaya’s skin repair lotionのサイト(→こちら)から通販で購入できます。診察は不要です。医薬品の輸出の場合は規制が無いからです。
クロフィブラート軟膏の販売を開始しようと思い立ったのは、理由があります。一昨年20名の患者を募って二重盲検で効果を比較して有意差があった結果がJournal of Drugs in Dermatology の2014年3月号に掲載されたからです(→こちら)。
そこで、電話(052-264-0212)で御予約の上、とにかく私のクリニック(名古屋市中区千代田5-20-6 鶴舞公園クリニック)まで一度足を運んでください。カルテを作成して、皮疹がアトピー性皮膚炎(またはステロイド皮膚症)であることを私が確認したうえで、クロフィブラート軟膏を販売します。これなら医師である私が「診察」した上での「処方」となりますから合法です。
申し訳ないですが、その際に私は、皮疹の確認以外のことはしません。クロフィブラートの販売のための最低限の「診察」と考えてください。ステロイド使用の有無も尋ねません。私に診てもらっていろいろ聞きたい、尋ねたいという方もいらっしゃるかと思いますが、私は、過去にそういったことに集中しすぎて心身を壊した人間です。私自身への負担を減らすためです。御了解ください。
海外在住の方は、Dr. Fukaya’s skin repair lotionのサイト(→こちら)から通販で購入できます。診察は不要です。医薬品の輸出の場合は規制が無いからです。
クロフィブラート軟膏の販売を開始しようと思い立ったのは、理由があります。一昨年20名の患者を募って二重盲検で効果を比較して有意差があった結果がJournal of Drugs in Dermatology の2014年3月号に掲載されたからです(→こちら)。
小規模のpilot studyではありますが、この軟膏を堂々と処方するためのevidenceは取れました。この軟膏は調製が容易ですから、皮膚科小児科を問わず、開業医の方々は誰でもその気になれば作製できます(→こちら)。ステロイドよりも効果は弱いですが、白色ワセリンよりは抗炎症作用があります。
それにも関わらず試みようという医師が少ないのは、やはり医学論文としてevidenceが取れていなかったのが一番の理由でしょう。まずは私自身が「処方」して、それがステロイドよりも安全で有用であると患者たちの間で広まっていけば、他の開業医の方々も関心を寄せて、さらに論文になっていることも知れば「じゃあ、うちも作製してみよう」という気になるかもしれません。
ちょっとした湿疹、軽いアトピーなどを少しだけ抑えるだけの抗炎症作用はありますから、そういった症例にクロフィブラート軟膏が汎用されていけば、ステロイド依存に陥る患者は減るはずです。
そのための一石としての、今回の「クロフィブラート軟膏の販売開始」です。
価格は、500g(50gではないです)で3,000円。基剤はプロペト(精製された柔らかい白色ワセリン)で、クロフィブラート(0.25%)以外は、何も含みません。一度来ていただければ処方のための「診察」は済みますから、その後はお電話いただければ、代引きで追加注文に応じます。
クロフィブラート軟膏について、私の印象を記しておきます。
1 この軟膏は、効く人と効かない人がいます。効く場合でも、ステロイドのように強くは無いので、使用感(基剤がワセリンであることによるべたつきなど)に抵抗が無い人は、まずは2週間ないし1ケ月続けて、その上で判断してください。多少とも効きそうであれば、引き続き活用してください。ステロイド外用剤のように長期使用で表皮が萎縮したりする副作用はありません。
2 刺激で赤くなる(合わない)人は若干いるようです。その場合は中止してください。
3 環境系アレルゲンなどで、時々強く悪化するタイプの人は、クロフィブラート有効例で連続使用していても、抑えきれないようです。そういった患者は、悪化時に強く落ち込みます。クロフィブラートへの期待が大きかったからでしょう。
その場合、一時的なステロイドの使用(注射や内服でも外用でも)で、即依存に陥るというものではないですから、ステロイドを活用してもよいですし、あるいは一切ステロイドを使用せずに耐えて悪化原因から解除されて治まるのを待つでも、どちらでもよいです。ある程度治まってきたら、クロフィブラートでも治まるようになるので再開してください。また、ステロイドを使用した場合にも、早期に(湿疹がまだ完全には治まっていない時点から)ステロイドからクロフィブラートへと切り替えることによって、ステロイドの長期使用を食い止めることができます。
中間分子量ヒアルロン酸との併用については以下の通りです。
(注)中間分子量ヒアルロン酸は、私が製作販売している化粧品の主成分です。現在のところ、これを使用した化粧 品は日本では他にありません。製品名を明示すると、ブログ記事が薬事法第86条(未承認医薬品の広告禁止)に抵触するおそれがあるので、製品名を伏して一 般名である「中間分子量ヒアルロン酸」に置き換えて記事を書いています。関心のあるかたは、お手数ですが検索して探してください。
1 中間分子量ヒアルロン酸は、ステロイドによる副作用(表皮萎縮)を防止する効果がありますが、クロフィブラートのような抗炎症効果はありません。もっとも合理的な両者の活用法は、ステロイドを外用する際に中間分子量ヒアルロン酸を併用して、湿疹が治まってきたら、ステロイドをクロフィブラートに置き換える、というものです。
2 クロフィブラートには弱い抗炎症作用があるので、ステロイド依存で離脱中の人や、ステロイド忌避の方が、多少でも炎症を緩和するために、非ステロイドで何か抗炎症作用のあるものを探している場合には、向いています。一方中間分子量ヒアルロン酸は、ステロイド離脱中や忌避の方で、乾燥が強く、しかしなかなか合う保湿剤がないという場合に、保湿剤として使い易いです。併用ももちろん可です。
3 高齢の方で、冬に脚がかゆくなるといった、加齢が関係した湿疹の場合には、中間分子量ヒアルロン酸とクロフィブラートの併用がお勧めです。中間分子量ヒアルロン酸は加齢による表皮の萎縮を回復させ、クロフィブラートには抗炎症効果があるからです。
高齢者の乾燥性湿疹で、ステロイド依存に陥ってしまうという人は少なくありません。アトピー性皮膚炎ではないですが、ステロイド外用剤は用いず、中間分子量ヒアルロン酸とクロフィブラートの併用で対処することを、強くお勧めします。
クロフィブラート軟膏について過去の主なブログ記事をまとめました。
発想の発端となったのは、大分大学・波多野先生の論文です。ステロイド外用に引き続いてクロフィブラートと同じPPARαリガンドを外用することで、リバウンドが回避されたことを動物実験で示しています。→こちら。
クロフィブラート軟膏が外用ステロイドの副作用を軽減するというDemerjian先生の論文の解説は→こちら。
佐賀大学のペリオスチンを介する悪循環におけるクロフィブラートの作用点の解説は→こちら。
n=12での中間報告は→こちら。
クロフィブラート軟膏の作成法(クロフィブラートを入手すれば自分でも出来ます)は→こちら。
クロフィブラート軟膏の将来的展望は→こちら。
ダイアフラジンA軟膏との関係は→こちら。
クロフィブラートを試用した個々の20症例については、全例概略がまとめてありますので、目次から探して読んでみてください。このアトピー性皮膚炎(あるいはステロイド皮膚症)という疾患が、いかに個々のケースにおいて多様で、ステロイド使用の適否を含め、対処法が異なるかが、ご理解いただけるのではないでしょうか。その意味で、患者の方々にとっては、クロフィブラート軟膏の試用経過以上の情報を含んでいるはずです。
補足) クロフィブラート軟膏の安定性について
クロフィブラートカプセルの添付文書には、その性状について、「光によって徐々に分解する」と記されています。また、その一方で「通常の市場流通下では5年間安定であることが確認された」とも書かれています。
クロフィブラートは、赤い半透明カプセルに包まれた剤形で、包装は透明なシートでアルミなどの遮光包装ではなく、箱も通常の紙箱ですから、ワセリン(プロペト)との混合後も、普通に引き出しなどに入れて遮光していただければよろしいと考えます。
当方で処方するクロフィブラート軟膏には、調製年月日が記されています。こういった自家製軟膏は、一般的に調整後一年を使用あるいは処方の期限とすることが多いです。実際には、一年以上経ても安定なことが多いのですが、病院の薬局やクリニックでは、成分分析までして安定性を確認することは出来ないので、まず間違いなかろうということで一年という短期を考えるわけです。ご参考までに。
ご自身で水や化粧水と混ぜてエマルジョンを作る際には、とくに遮光は必要ないと考えますが、調整後は冷蔵庫保存して、早めに使用することが望ましいです。冷蔵庫と言うのは、遮光にもいいですが、室温ですと、雑菌などが繁殖しやすいからです。目安としては、調整後一ケ月くらいでしょうか?目視やにおいなどで異常がなければ、使用可能だと考えます。
ワセリン基剤の軟膏は、通常冷蔵庫保存はしません。ワセリンは液体と異なり雑菌が繁殖しにくく、低温では固くなって取り出してすぐには使いにくいからです。
2014.03.03
それにも関わらず試みようという医師が少ないのは、やはり医学論文としてevidenceが取れていなかったのが一番の理由でしょう。まずは私自身が「処方」して、それがステロイドよりも安全で有用であると患者たちの間で広まっていけば、他の開業医の方々も関心を寄せて、さらに論文になっていることも知れば「じゃあ、うちも作製してみよう」という気になるかもしれません。
ちょっとした湿疹、軽いアトピーなどを少しだけ抑えるだけの抗炎症作用はありますから、そういった症例にクロフィブラート軟膏が汎用されていけば、ステロイド依存に陥る患者は減るはずです。
そのための一石としての、今回の「クロフィブラート軟膏の販売開始」です。
価格は、500g(50gではないです)で3,000円。基剤はプロペト(精製された柔らかい白色ワセリン)で、クロフィブラート(0.25%)以外は、何も含みません。一度来ていただければ処方のための「診察」は済みますから、その後はお電話いただければ、代引きで追加注文に応じます。
クロフィブラート軟膏について、私の印象を記しておきます。
1 この軟膏は、効く人と効かない人がいます。効く場合でも、ステロイドのように強くは無いので、使用感(基剤がワセリンであることによるべたつきなど)に抵抗が無い人は、まずは2週間ないし1ケ月続けて、その上で判断してください。多少とも効きそうであれば、引き続き活用してください。ステロイド外用剤のように長期使用で表皮が萎縮したりする副作用はありません。
2 刺激で赤くなる(合わない)人は若干いるようです。その場合は中止してください。
3 環境系アレルゲンなどで、時々強く悪化するタイプの人は、クロフィブラート有効例で連続使用していても、抑えきれないようです。そういった患者は、悪化時に強く落ち込みます。クロフィブラートへの期待が大きかったからでしょう。
その場合、一時的なステロイドの使用(注射や内服でも外用でも)で、即依存に陥るというものではないですから、ステロイドを活用してもよいですし、あるいは一切ステロイドを使用せずに耐えて悪化原因から解除されて治まるのを待つでも、どちらでもよいです。ある程度治まってきたら、クロフィブラートでも治まるようになるので再開してください。また、ステロイドを使用した場合にも、早期に(湿疹がまだ完全には治まっていない時点から)ステロイドからクロフィブラートへと切り替えることによって、ステロイドの長期使用を食い止めることができます。
中間分子量ヒアルロン酸との併用については以下の通りです。
(注)中間分子量ヒアルロン酸は、私が製作販売している化粧品の主成分です。現在のところ、これを使用した化粧 品は日本では他にありません。製品名を明示すると、ブログ記事が薬事法第86条(未承認医薬品の広告禁止)に抵触するおそれがあるので、製品名を伏して一 般名である「中間分子量ヒアルロン酸」に置き換えて記事を書いています。関心のあるかたは、お手数ですが検索して探してください。
1 中間分子量ヒアルロン酸は、ステロイドによる副作用(表皮萎縮)を防止する効果がありますが、クロフィブラートのような抗炎症効果はありません。もっとも合理的な両者の活用法は、ステロイドを外用する際に中間分子量ヒアルロン酸を併用して、湿疹が治まってきたら、ステロイドをクロフィブラートに置き換える、というものです。
2 クロフィブラートには弱い抗炎症作用があるので、ステロイド依存で離脱中の人や、ステロイド忌避の方が、多少でも炎症を緩和するために、非ステロイドで何か抗炎症作用のあるものを探している場合には、向いています。一方中間分子量ヒアルロン酸は、ステロイド離脱中や忌避の方で、乾燥が強く、しかしなかなか合う保湿剤がないという場合に、保湿剤として使い易いです。併用ももちろん可です。
3 高齢の方で、冬に脚がかゆくなるといった、加齢が関係した湿疹の場合には、中間分子量ヒアルロン酸とクロフィブラートの併用がお勧めです。中間分子量ヒアルロン酸は加齢による表皮の萎縮を回復させ、クロフィブラートには抗炎症効果があるからです。
高齢者の乾燥性湿疹で、ステロイド依存に陥ってしまうという人は少なくありません。アトピー性皮膚炎ではないですが、ステロイド外用剤は用いず、中間分子量ヒアルロン酸とクロフィブラートの併用で対処することを、強くお勧めします。
クロフィブラート軟膏について過去の主なブログ記事をまとめました。
発想の発端となったのは、大分大学・波多野先生の論文です。ステロイド外用に引き続いてクロフィブラートと同じPPARαリガンドを外用することで、リバウンドが回避されたことを動物実験で示しています。→こちら。
クロフィブラート軟膏が外用ステロイドの副作用を軽減するというDemerjian先生の論文の解説は→こちら。
佐賀大学のペリオスチンを介する悪循環におけるクロフィブラートの作用点の解説は→こちら。
n=12での中間報告は→こちら。
クロフィブラート軟膏の作成法(クロフィブラートを入手すれば自分でも出来ます)は→こちら。
クロフィブラート軟膏の将来的展望は→こちら。
ダイアフラジンA軟膏との関係は→こちら。
クロフィブラートを試用した個々の20症例については、全例概略がまとめてありますので、目次から探して読んでみてください。このアトピー性皮膚炎(あるいはステロイド皮膚症)という疾患が、いかに個々のケースにおいて多様で、ステロイド使用の適否を含め、対処法が異なるかが、ご理解いただけるのではないでしょうか。その意味で、患者の方々にとっては、クロフィブラート軟膏の試用経過以上の情報を含んでいるはずです。
補足) クロフィブラート軟膏の安定性について
クロフィブラートカプセルの添付文書には、その性状について、「光によって徐々に分解する」と記されています。また、その一方で「通常の市場流通下では5年間安定であることが確認された」とも書かれています。
クロフィブラートは、赤い半透明カプセルに包まれた剤形で、包装は透明なシートでアルミなどの遮光包装ではなく、箱も通常の紙箱ですから、ワセリン(プロペト)との混合後も、普通に引き出しなどに入れて遮光していただければよろしいと考えます。
当方で処方するクロフィブラート軟膏には、調製年月日が記されています。こういった自家製軟膏は、一般的に調整後一年を使用あるいは処方の期限とすることが多いです。実際には、一年以上経ても安定なことが多いのですが、病院の薬局やクリニックでは、成分分析までして安定性を確認することは出来ないので、まず間違いなかろうということで一年という短期を考えるわけです。ご参考までに。
ご自身で水や化粧水と混ぜてエマルジョンを作る際には、とくに遮光は必要ないと考えますが、調整後は冷蔵庫保存して、早めに使用することが望ましいです。冷蔵庫と言うのは、遮光にもいいですが、室温ですと、雑菌などが繁殖しやすいからです。目安としては、調整後一ケ月くらいでしょうか?目視やにおいなどで異常がなければ、使用可能だと考えます。
ワセリン基剤の軟膏は、通常冷蔵庫保存はしません。ワセリンは液体と異なり雑菌が繁殖しにくく、低温では固くなって取り出してすぐには使いにくいからです。
2014.03.03