ヒアルロン酸と羊水・その1
中間分子量ヒアルロン酸は、私が製作販売している化粧品の主成分です。現在のところ、これを使用した化粧 品は日本では他にありません。
製品名を明示すると、ブログ記事が薬事法第86条(未承認医薬品の広告禁止)に抵触するおそれがあるので、製品名を伏して一 般名である「中間分子量ヒアルロン酸」に置き換えて記事を書いています。関心のあるかたは、お手数ですが検索して探してください。
分子量5~40万のヒアルロン酸に、なぜステロイドや加齢で萎縮した表皮の分裂増殖を促す効果があるのかについて、気がついたことがあります。羊水中のヒアルロン酸サイズに近いのです。
胎児の皮膚は、羊水中で成熟して、外界に出てきます。この羊水中のヒアルロン酸の分子量が、追記のようにHAFiのレンジなのです。
ステロイドや加齢で萎縮した表皮の分裂増殖を促すメカニズムは、羊水が胎児の表皮を育てるメカニズムと同じなのでしょう。
私が作製した中間分子量ヒアルロン酸化粧水の使用感ですが、通常の市販の分子量100万以上のヒアルロン酸美容液に比べると、分子量100万以上のものでは、とろみ・ぬめり感が塗った後も長く続くのでに対し、中間分子量ヒアルロン酸化粧水では、最初ぬめり感があるのが、数分でさらさらになります。分子量がやや低い分、肌の表層(角層)の間に入り込み易いのでしょう。「はじめぬるぬるあ、あとさらさら」で、とても感触がいいです。
ですから、ステロイド軟膏外用の前でも後でも使える感じです。また、現在お化粧品を使用中の方は、洗顔後乳液を塗る前のどの段階にでも(化粧水の前後または化粧水の替りとして)、「一品加える」という感覚で使うことができます。
ちなみに、関節滑液中のヒアルロン酸のサイズは約600万です。この分子量サイズになると、とろみが強く、関節での摩擦を軽減するという働きに適しています。ヒアルロン酸と言うのは、分子量サイズによって、いろいろな機能を生体で担っているということのようです。
追記
ヒト羊水中のヒアルロン酸分子量について調べた報告を紹介します。(The origin and fate of hyaluronan in amniotic fluid. Dahl LB et. al. J Dev Physiol. 1989 Oct;12(4):209-18.)
Aは胎生16週、BCDは40週です。40週に3つのパターンがあるのは、羊水中のヒアルロン酸濃度を<1μg/ml(B)、1-5μg/mlμ(C)、>5μg/ml(D)で分けているからです。著者は「分子量100万以上の大分子量のピークは採取時のコンタミであろう」と考えています。
具体的なヒアルロン酸濃度は、Aでは17.6μg/ml、Bは0.79μg/ml、Cは1.88μg/ml、Dは44.2μg/mlでした。ほかの研究者による報告でも、胎生16週頃の羊水中ヒアルロン酸濃度は21.4μg/ml、40週では1μg/mlであり、胎生16週頃には、分子量10万をピークとするヒアルロン酸が、羊水中に増えるようです。
一方、表皮の角化は、胎生16週~24週に起こります。この時期に皮脂腺・汗腺・毛髪などの皮膚付属器官ができ、皮膚のおおよそが整います。
ですから、私が作製した化粧水のヒアルロン酸の分子量(5万~11万)は、胎生16週、表皮が角化する時期の羊水中のヒアルロン酸の分子量に、ほぼ一致します。
2013.03.27
具体的なヒアルロン酸濃度は、Aでは17.6μg/ml、Bは0.79μg/ml、Cは1.88μg/ml、Dは44.2μg/mlでした。ほかの研究者による報告でも、胎生16週頃の羊水中ヒアルロン酸濃度は21.4μg/ml、40週では1μg/mlであり、胎生16週頃には、分子量10万をピークとするヒアルロン酸が、羊水中に増えるようです。
一方、表皮の角化は、胎生16週~24週に起こります。この時期に皮脂腺・汗腺・毛髪などの皮膚付属器官ができ、皮膚のおおよそが整います。
ですから、私が作製した化粧水のヒアルロン酸の分子量(5万~11万)は、胎生16週、表皮が角化する時期の羊水中のヒアルロン酸の分子量に、ほぼ一致します。
2013.03.27