皮膚のコルチゾール染色その後
先回の記事(→こちら)の続きになります。
その後、5名の方に、皮膚のコルチゾールの染色にご協力していただけました。遠方からいらしていただいた方もあり、恐縮しております。ありがとうございました。(最近いらっしゃった幼児の方は、まだ結果出ていません。またブログ記事に付記しますのでお待ちください)
染色結果ですが、5名いずれも表皮のコルチゾール産生は均一で、健康なものでした。これは、5名の方がいずれも、ステロイドを離脱して一定期間経っており、また外観上も、肘窩を中心とした古典的アトピー性皮膚炎の皮疹分布をとっていたことから、想定された通りでした。5名のうち3名のかたは、生検時に写真を撮っていたので、対比して以下に記します(2名の方は生検のみで写真を撮りませんでした。・・撮っておけばよかったです、残念)。
ケース1
その後、5名の方に、皮膚のコルチゾールの染色にご協力していただけました。遠方からいらしていただいた方もあり、恐縮しております。ありがとうございました。(最近いらっしゃった幼児の方は、まだ結果出ていません。またブログ記事に付記しますのでお待ちください)
染色結果ですが、5名いずれも表皮のコルチゾール産生は均一で、健康なものでした。これは、5名の方がいずれも、ステロイドを離脱して一定期間経っており、また外観上も、肘窩を中心とした古典的アトピー性皮膚炎の皮疹分布をとっていたことから、想定された通りでした。5名のうち3名のかたは、生検時に写真を撮っていたので、対比して以下に記します(2名の方は生検のみで写真を撮りませんでした。・・撮っておけばよかったです、残念)。
ケース1
ケース2
ケース3
これに対して、前回の記事に記した、表皮のコルチゾール産生がパッチ状に低下しており、皮疹も、ステロイド離脱後のリバウンドのそれであった方(クロフィブラート軟膏試用のケース7の方)は、下図の通りで、肘窩を中心とした古典的アトピー性皮膚炎の皮疹分布を取っておらず、全体(全身)に湿疹が広がっています。
下は、この方の皮疹が落ち着いてきて、表皮のコルチゾール産生も均一になってきた状態です。
(2年後)
(2年後)
今回、ご協力いただいた5名の方は、いずれも脱ステロイド経験者で、最初の強いリバウンドを乗り越えたのち軽快傾向にある方、または、一定期間軽快していたが、しばらくぶりに悪化したので不安になった方でした。こういう方たちが生検に協力を申し出てくださるのは、解るような気がします。離脱直後の強いリバウンドの真っ最中であれば、とてもそのような余裕はないでしょうが、久しぶりに悪化した場合には「まだステロイド依存から抜け切っていないのだろうか?皮膚を調べて解るなら調べて欲しい」という気持ちが生じるだろうからです。
私の見立て、および今回生検した表皮のコルチゾール産生が均一であったという結果からは、これらの5名の方は、依存からは脱却していると思います。したがって、悪化した、あるいは治り切っていないとしたら、それは生活環境や食物など、なんらかの要因に反応していると言うことです(→こちらやこちらやこちらを御参照ください)。
阪南中央病院の佐藤先生と見解を異にしますが、この時点以降は「脱保湿」もさほど効果は無いかもしれません。なぜなら、脱保湿でよくなるメカニズムは、乾燥した環境に置くことで、表皮のステロイド産生を回復させるということであるだろうと考えるからです(→こちら)。
さて、今回お願いしたいことは、ステロイドを離脱して間もない方で、肘窩に限らず全体(全身)が真っ赤に腫れ上がっているようなタイプの方の皮膚生検をもう何例か集めたいということです。「とてもそんな余裕はない、行けない」とおっしゃるかもしれませんが、私も過去に何千例とそういう患者と向き合ってきておりますので、何らかの助言は与えられるであろうと思います。
また、現にステロイドを外用中の方も、ご協力お願いできればと思います。「最近効きが悪くなってきたようで不安」という方はもちろん、「ステロイドで良好にコントロールできているつもりだが、組織レベルでコルチゾール産生に異常がないか確認したい」という方も歓迎です。昔からの私のスタンスですが、そういう方にステロイドの害悪を説いて脱ステに誘導しようなんて、かけらほども思っておりませんので、くれぐれも変に勘ぐらないでください。ステロイド継続使用も、十分な知識を得てご自身にとってのメリットデメリットをよく考えた上での自己判断であれば、私は敬意をもって患者の意向を尊重します。
実際、今回検査させていただいた5名の方は、再び依存に陥らないように注意しながら(間歇的にということ)であれば、ステロイド外用剤の再使用も一つの選択肢であろうと私は思います。あくまで再使用せずに乗り切って行きたいということであれば、それはそれで悪化要因に気がついて排除しやすくなりますから、良いと思いますし、何よりもステロイドを使わないのが依存に陥らない一番確実な方法ではあることは間違いありません。
生検にご協力いただけるかたは、052-264-0213までお電話ください。お礼にヒアルプロテクト(30ml)およびクロフィブラート軟膏おためしサイズ(30gくらい)プレゼントします。
(2015.7.17)
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