金沢大・竹原教授による誤った情報発信
「1992年の久米宏のニュースステーションでのステロイド特集」は→こちら。
金沢大学皮膚科教授の、竹原和彦先生がお書きになった、「アトピービジネス」という本があります。
金沢大学皮膚科教授の、竹原和彦先生がお書きになった、「アトピービジネス」という本があります。
この本には、久米宏のニュースステーションについて以下のように書かれています。
ーーーーー(ここから引用)ーーーーー
1992年7月に放映されたテレビ朝日「ニュースステーション」の特集で、キャスターの久米宏氏は一週間放映されたステロイド叩きの特集の最後に、「これでステロイド外用剤は最後の最後、ギリギリになるまで使ってはいけない薬だということがよくお分かりになったと思います。」と発言した。番組を見て、今後の診療は大変なことになるだろうなという不安を抱いたのを私は覚えている。
事態はそのとおりになった。久米氏の発言を境に、外来患者から、「先生、まさかその薬はステロイドではないでしょうね」と不安そうに質問し、「ステロイドだけは絶対に使わないでください。」と懇願するステロイド恐怖症の患者の急増をみたのである。
ーーーーー(ここまで引用)ーーーーー
久米氏は、「これでステロイド外用剤は最後の最後、ギリギリになるまで使ってはいけない薬だということがよくお分かりになったと思います。」とは、発言していませんでした。その発言をしたのは、当時日本大学の臨床薬理学教授であった、田村豊幸先生です。
果たして、これは、竹原先生の勘違いなのか、あるいは、意図的に歪めて書いたものなのか。
久米氏の発言だということにすれば、マスコミが理不尽なステロイドバッシングをした、という「お話」が出来上がります。
このほかにも、竹原先生は、「アトピービジネスが、『ステロイドは悪魔の薬』というイメージを作り上げた」、ということを記していますが、実は、「ステロイドは悪魔の薬」というフレーズは、竹原先生が初めて言い出したものなのです(→こちら)。「アトピービジネス」を批判しやすくするための作話でしょう。
竹原先生は、こういう論法をよく使います。たとえば、「1996年の玉置先生の講演と竹原先生の質疑」(→こちら)で記したように、当時、脱ステロイド療法を提唱していた玉置先生に、「マスコミ等で先生のご意見が紹介されるときには、ステロイドを絶対に使ってはいけないという根拠とされることがあるようですので、今後マスコミとの対応は慎重にお願いしたいと思います。 」と述べています。しかし、私はそのようなマスコミ報道を見たことがありません。
久米氏の番組の最後の発言は、「ちょこっとだけ使うんだったらいいですけど、習慣性を帯びると非常に危険だということです。」でした。
しかし、竹原氏の発信した、「久米氏が、『これでステロイド外用剤は最後の最後、ギリギリになるまで使ってはいけない薬だということがよくお分かりになったと思います。』と、番組の最後で締めくくった」、という誤った(あるいは意図的に作られた)情報は、その後、繰り返し繰り返し今もあちこちで引用されています。
「1992年の久米宏のニュースステーションでのステロイド特集」で検索してみてください。数多くの皮膚科医や小児科医のHPやブログで、竹原氏の発信した誤情報が、引用され、あたかもそれがニュースステーションの特集の全てを物語るかのように、実に怪しからん、という論評がされています。
竹原先生は、今後も講演や著作などで、情報発信をなさると思いますが、こういう歪んだ論法の使い手なのだ、ということは、皆が記憶しておくべきでしょう。
2012.11.03
ーーーーー(ここから引用)ーーーーー
1992年7月に放映されたテレビ朝日「ニュースステーション」の特集で、キャスターの久米宏氏は一週間放映されたステロイド叩きの特集の最後に、「これでステロイド外用剤は最後の最後、ギリギリになるまで使ってはいけない薬だということがよくお分かりになったと思います。」と発言した。番組を見て、今後の診療は大変なことになるだろうなという不安を抱いたのを私は覚えている。
事態はそのとおりになった。久米氏の発言を境に、外来患者から、「先生、まさかその薬はステロイドではないでしょうね」と不安そうに質問し、「ステロイドだけは絶対に使わないでください。」と懇願するステロイド恐怖症の患者の急増をみたのである。
ーーーーー(ここまで引用)ーーーーー
久米氏は、「これでステロイド外用剤は最後の最後、ギリギリになるまで使ってはいけない薬だということがよくお分かりになったと思います。」とは、発言していませんでした。その発言をしたのは、当時日本大学の臨床薬理学教授であった、田村豊幸先生です。
果たして、これは、竹原先生の勘違いなのか、あるいは、意図的に歪めて書いたものなのか。
久米氏の発言だということにすれば、マスコミが理不尽なステロイドバッシングをした、という「お話」が出来上がります。
このほかにも、竹原先生は、「アトピービジネスが、『ステロイドは悪魔の薬』というイメージを作り上げた」、ということを記していますが、実は、「ステロイドは悪魔の薬」というフレーズは、竹原先生が初めて言い出したものなのです(→こちら)。「アトピービジネス」を批判しやすくするための作話でしょう。
竹原先生は、こういう論法をよく使います。たとえば、「1996年の玉置先生の講演と竹原先生の質疑」(→こちら)で記したように、当時、脱ステロイド療法を提唱していた玉置先生に、「マスコミ等で先生のご意見が紹介されるときには、ステロイドを絶対に使ってはいけないという根拠とされることがあるようですので、今後マスコミとの対応は慎重にお願いしたいと思います。 」と述べています。しかし、私はそのようなマスコミ報道を見たことがありません。
久米氏の番組の最後の発言は、「ちょこっとだけ使うんだったらいいですけど、習慣性を帯びると非常に危険だということです。」でした。
しかし、竹原氏の発信した、「久米氏が、『これでステロイド外用剤は最後の最後、ギリギリになるまで使ってはいけない薬だということがよくお分かりになったと思います。』と、番組の最後で締めくくった」、という誤った(あるいは意図的に作られた)情報は、その後、繰り返し繰り返し今もあちこちで引用されています。
「1992年の久米宏のニュースステーションでのステロイド特集」で検索してみてください。数多くの皮膚科医や小児科医のHPやブログで、竹原氏の発信した誤情報が、引用され、あたかもそれがニュースステーションの特集の全てを物語るかのように、実に怪しからん、という論評がされています。
竹原先生は、今後も講演や著作などで、情報発信をなさると思いますが、こういう歪んだ論法の使い手なのだ、ということは、皆が記憶しておくべきでしょう。
2012.11.03