PRP療法の論文が掲載されました
以前、PRP(platelet rich plasma; 多血小板血漿)療法について紹介記事を書きました(→こちら)が、私の考案した独自のPRP作成法が、形成外科の雑誌に掲載されたので、その御案内とともに、この施術のアトピー性皮膚炎(またはステロイド皮膚症)における意義をまとめてみます。
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ステロイドは皮膚を萎縮させますが、実はこの「萎縮」は二つに分けて考えたほうがよいです。「表皮」の萎縮(epidermal atrophy)と「真皮」の萎縮(dermal atrophy)です。
ステロイドは皮膚を萎縮させますが、実はこの「萎縮」は二つに分けて考えたほうがよいです。「表皮」の萎縮(epidermal atrophy)と「真皮」の萎縮(dermal atrophy)です。
ステロイドによる皮膚の萎縮は、表皮の萎縮から始まります。私自身の皮膚で実験してみた結果では、外用して二日目には既に始まり、二週間後には、はっきりと厚さが減じるようです。一方、真皮の萎縮を来たすには、少なくとも数ヶ月、ひょっとしたら数年かかるかもしれません。その違いは、表皮細胞のターンオーバーが4~6週であるのに対し、真皮の厚さを構成するコラーゲンなどの間質のターンオーバーは長期であるためです。
表皮性の萎縮と言うのは、もともと薄い最外層の膜がさらに薄くなるだけですから、外界からの刺激を受け易くなる(バリア破壊)ことはあっても、見た目には凹凸、すなわち「しわ」は生じません。一方真皮性の萎縮と言うのは、凹凸を生じます。皮膚のふくよかさを構成している厚い組織であるからです。普通に「しわ」として外観的な問題を生じます。
ヒアルプロテクトの主成分である分子量10万付近のヒアルロン酸は、表皮の萎縮を防止します。あるいは加齢による萎縮を回復させます。一方、PRPは、真皮の繊維芽細胞に作用して、コラーゲンの生成を促し、結果、真皮の萎縮を回復させます。
表皮性の萎縮と言うのは、もともと薄い最外層の膜がさらに薄くなるだけですから、外界からの刺激を受け易くなる(バリア破壊)ことはあっても、見た目には凹凸、すなわち「しわ」は生じません。一方真皮性の萎縮と言うのは、凹凸を生じます。皮膚のふくよかさを構成している厚い組織であるからです。普通に「しわ」として外観的な問題を生じます。
ヒアルプロテクトの主成分である分子量10万付近のヒアルロン酸は、表皮の萎縮を防止します。あるいは加齢による萎縮を回復させます。一方、PRPは、真皮の繊維芽細胞に作用して、コラーゲンの生成を促し、結果、真皮の萎縮を回復させます。
以上のことを、以前供覧した、PRP療法の前後の写真でご確認ください。
真皮性の萎縮は、表皮性の萎縮に比べて、生じるまでにも時間がかかりますが、いったん生じたら、表皮性の萎縮よりも回復しにくいです。それは、繊維芽細胞というのは、平時にはさほど活動せず、真皮のコラーゲンの代謝はゆっくりであるからです。これをPRPで刺激して促進してやるのが、この施術です。
ですから、老化に伴う小じわの治療と同じように、PRP療法と言うのは、ステロイドによって生じた真皮性の萎縮に有効です。経験的には、老化の小じわよりも反応がいいです。繊維芽細胞が若いからでしょう。
以前にも記しましたが、こういった真皮性の萎縮と言うのは、アトピー性皮膚炎そのものでは生じないはずです。アトピー性皮膚炎で繊維芽細胞は抑制されないからです。ですから、真皮性の萎縮というのは、ステロイドの副作用か、あるいは加齢か、どちらかが原因だと考えられます。
さて、「表皮性」「真皮性」という概念で、もうひとつ、クロフィブラートの位置付けを明確にしておくと、クロフィブラートというのは「表皮性炎症」(注:私が造った言葉です)に有効です。表皮性炎症と言うのは、免疫系の関与を省いた、ケラチノサイトの放出するTSLPが関係する炎症の部分です。
ですから、老化に伴う小じわの治療と同じように、PRP療法と言うのは、ステロイドによって生じた真皮性の萎縮に有効です。経験的には、老化の小じわよりも反応がいいです。繊維芽細胞が若いからでしょう。
以前にも記しましたが、こういった真皮性の萎縮と言うのは、アトピー性皮膚炎そのものでは生じないはずです。アトピー性皮膚炎で繊維芽細胞は抑制されないからです。ですから、真皮性の萎縮というのは、ステロイドの副作用か、あるいは加齢か、どちらかが原因だと考えられます。
さて、「表皮性」「真皮性」という概念で、もうひとつ、クロフィブラートの位置付けを明確にしておくと、クロフィブラートというのは「表皮性炎症」(注:私が造った言葉です)に有効です。表皮性炎症と言うのは、免疫系の関与を省いた、ケラチノサイトの放出するTSLPが関係する炎症の部分です。
対立概念で「真皮性炎症」というものを考えます。これは、アレルギー反応すなわち免疫系の関与する炎症部分で、有効に抑えるのはステロイドあるいは抗原(アレルゲン)対策ということになります。
表皮性炎症と真皮性炎症とは、「ペリオスチンの話」の記事(→こちら)で解説したように、クローズドサイクルとなって繋がっています。ですから実際には一連のものです。しかし考えを整理するためには良い概念だと思います。
2014.06.09
表皮性炎症と真皮性炎症とは、「ペリオスチンの話」の記事(→こちら)で解説したように、クローズドサイクルとなって繋がっています。ですから実際には一連のものです。しかし考えを整理するためには良い概念だと思います。
2014.06.09
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