分子量10万ダルトン付近のヒアルロン酸は血管新生を抑制する
このところ、分子量10万ダルトン付近のヒアルロン酸関連の文献紹介が続きます。私も、化粧品を製作して売り出した身としては、何かネガティブデータ(効果を否定するデータ)ありはしないかと気になって調べるのですが、いまのところ肯定的なデータしか出てきません。今回紹介するのも、その一つです。
Immunostimulatory and antiangiogenic activities of low molecular weight hyaluronic acid. Ke C et al. Food Chem Toxicol. 2013 May 29;58C:401-407. doi: 10.1016/j.fct.2013.05.032. [Epub ahead of print]
分子量10万付近のヒアルロン酸は、リンパ球の分裂増殖とマクロファージの貪食能の活性化、血管新生の抑制に働く、という実験結果を示したものです。分子量100万付近のヒアルロン酸では認めない、あるいは非常に効果が弱かったです。
著者は抗腫瘍剤としての発展の可能性を考えているようです。リンパ球やマクロファージが活性化して腫瘍免疫が高まり、血管新生を抑制して癌細胞を栄養する血管が途絶してくれれば、たしかに有用かもしれません。
皮膚に外用する観点からは、血管新生の抑制という点が興味深いです。実は、分子量1万以下のヒアルロン酸には血管新生作用があることが報告されています(分子量1万以上ではこの作用はありません)→こちら。
分子量10万付近になると、逆に血管新生を抑制する、ということが判明したわけです。
これは、先回紹介した「分子量10万付近のヒアルロン酸は酒さに有効だ」とするToddの報告とも合致します。ヒアルプロテクトは酒さにも有効のようです。
今回の論文では、鶏卵に直接ヒアルロン酸を外用して、血管新生への効果を見ています。
Immunostimulatory and antiangiogenic activities of low molecular weight hyaluronic acid. Ke C et al. Food Chem Toxicol. 2013 May 29;58C:401-407. doi: 10.1016/j.fct.2013.05.032. [Epub ahead of print]
分子量10万付近のヒアルロン酸は、リンパ球の分裂増殖とマクロファージの貪食能の活性化、血管新生の抑制に働く、という実験結果を示したものです。分子量100万付近のヒアルロン酸では認めない、あるいは非常に効果が弱かったです。
著者は抗腫瘍剤としての発展の可能性を考えているようです。リンパ球やマクロファージが活性化して腫瘍免疫が高まり、血管新生を抑制して癌細胞を栄養する血管が途絶してくれれば、たしかに有用かもしれません。
皮膚に外用する観点からは、血管新生の抑制という点が興味深いです。実は、分子量1万以下のヒアルロン酸には血管新生作用があることが報告されています(分子量1万以上ではこの作用はありません)→こちら。
分子量10万付近になると、逆に血管新生を抑制する、ということが判明したわけです。
これは、先回紹介した「分子量10万付近のヒアルロン酸は酒さに有効だ」とするToddの報告とも合致します。ヒアルプロテクトは酒さにも有効のようです。
今回の論文では、鶏卵に直接ヒアルロン酸を外用して、血管新生への効果を見ています。
対照
分子量10万付近のヒアルロン酸を外用すると、血管の発達が悪くなる。
注目すべきは、この血管新生抑制は、リンパ球など他の細胞を介さない直接作用であるという点です。鶏卵にはリンパ球も表皮細胞も無いですからね。
著者は、直接作用のほかにも、Th1系リンパ球が活性化されてIL-12という血管新生抑制物質を産生する間接作用もあるのではないか?と考察しています。
「中間分子量のヒアルロン酸外用はマウスの実験的アトピー性皮膚炎を抑える」(→こちら)で紹介したように、分子量10万サイズのヒアルロン酸は、アレルギー抑制の方向でリンパ球を分裂増殖させるようですから、Th2ではなく、Th1系へと働く可能性が高いです。
2013.06.25
注目すべきは、この血管新生抑制は、リンパ球など他の細胞を介さない直接作用であるという点です。鶏卵にはリンパ球も表皮細胞も無いですからね。
著者は、直接作用のほかにも、Th1系リンパ球が活性化されてIL-12という血管新生抑制物質を産生する間接作用もあるのではないか?と考察しています。
「中間分子量のヒアルロン酸外用はマウスの実験的アトピー性皮膚炎を抑える」(→こちら)で紹介したように、分子量10万サイズのヒアルロン酸は、アレルギー抑制の方向でリンパ球を分裂増殖させるようですから、Th2ではなく、Th1系へと働く可能性が高いです。
2013.06.25
私が作製した中間分子量ヒアルロン酸化粧水「ヒアルプロテクト」のショップはこちら(下の画像をクリック)