ケース1とケース7のその後
ケース1の方(→こちら)は、その後順調に回復しています。名古屋の方で、クロフィブラート軟膏が切れる度に来院されるので、写真経過が記録できます。
9月
9月
10月
11月
猫を一部屋に閉じ込める作戦が成功したのでしょう。この状態であれば十分社会生活に耐えますから、バイトなど探して、できれば猫のいない部屋を借りて独立して自活できるように生活設計していくといいです。次の猫の抜け毛のシーズン(来年5月)までに、さらに駒を進めてください。
ケース7の方(→こちら)は、クロフィブラートリスポンダーでTARC値も下がった方です。長期試用開始していたのですが、ある日電話がありました。
「実は、調子が悪くなって、しばらくクロフィブラート軟膏を使っていなかったんです。」
事情を聞くと、口周りからカポジのような発疹が始まり、いつも診てもらっているクリニックで相談して、カポジの薬(抗ウイルス薬)を服用し、クロフィブラートはしばらく休もう、ということになったとのこと。
とりあえず来院していただくと、クロフィブラート外用前(0 week)とほぼ同様の状態に復していました。
ケース7の方(→こちら)は、クロフィブラートリスポンダーでTARC値も下がった方です。長期試用開始していたのですが、ある日電話がありました。
「実は、調子が悪くなって、しばらくクロフィブラート軟膏を使っていなかったんです。」
事情を聞くと、口周りからカポジのような発疹が始まり、いつも診てもらっているクリニックで相談して、カポジの薬(抗ウイルス薬)を服用し、クロフィブラートはしばらく休もう、ということになったとのこと。
とりあえず来院していただくと、クロフィブラート外用前(0 week)とほぼ同様の状態に復していました。
それで、「カポジ」なのですが、下は、ご本人が、最初に自身で作成して持参した経過表の一部です。
これを見ると、2009年以降、毎年9月頃に「カポジ水痘様発疹症」にかかって、悪化していることになります。
これは、おかしいです。カポジがそんなに毎年決まった時期に生じるはずがないです。彼が「カポジになった」と思って、かかりつけの皮膚科で相談した時の皮疹を診ていないので、断言はできませんが、カポジのように見える、アトピー性皮膚炎(あるいはリバウンド)自体の悪化だったのでしょう。
この方は、2000年頃から「いずれステロイドを止めた方がいいのかもしれない」と感じながらも外用を続けていましたが、2005年に「カポジ水痘様発疹症」になって、「感染症なのでしばらくステロイドは使えないし、脱ステロイドしてしまおう」と考えて、脱ステしています。たぶん、「カポジ」が非常なトラウマなのでしょう。
それで、以前記した「強酸性水」を少し差し上げました。これは、細菌・ウイルス全般に殺菌効果があるので、これで皮膚の消毒をして、その上でクロフィブラート軟膏を塗ればいい、そもそもクロフィブラートには免疫抑制効果は無いから、感染症だからといって止める必要はない、旨説明して、なおかつ念のため、腕一本のみクロフィブラートではなく、ただの白色ワセリンを外用してもらって、他の部位にはクロフィブラート軟膏を再開してもらいました。
一週間後の写真が下です。
これは、おかしいです。カポジがそんなに毎年決まった時期に生じるはずがないです。彼が「カポジになった」と思って、かかりつけの皮膚科で相談した時の皮疹を診ていないので、断言はできませんが、カポジのように見える、アトピー性皮膚炎(あるいはリバウンド)自体の悪化だったのでしょう。
この方は、2000年頃から「いずれステロイドを止めた方がいいのかもしれない」と感じながらも外用を続けていましたが、2005年に「カポジ水痘様発疹症」になって、「感染症なのでしばらくステロイドは使えないし、脱ステロイドしてしまおう」と考えて、脱ステしています。たぶん、「カポジ」が非常なトラウマなのでしょう。
それで、以前記した「強酸性水」を少し差し上げました。これは、細菌・ウイルス全般に殺菌効果があるので、これで皮膚の消毒をして、その上でクロフィブラート軟膏を塗ればいい、そもそもクロフィブラートには免疫抑制効果は無いから、感染症だからといって止める必要はない、旨説明して、なおかつ念のため、腕一本のみクロフィブラートではなく、ただの白色ワセリンを外用してもらって、他の部位にはクロフィブラート軟膏を再開してもらいました。
一週間後の写真が下です。
白色ワセリンとクロフィブラート軟膏とを左右で塗り分けてもらった結果が下です。
向かって左(右腕)がクロフィブラート軟膏、右(左腕)が白色ワセリンです。はっきり左右差が出ています。
ということで、長期試用再開しました。
この方の、毎年9月頃の悪化(カポジではおそらくない)の原因が何かですが、普通に考えれば、夏→秋の、温湿度の変化です。皮膚の衣替えがすぐに対応できなくて、一時的に悪化する患者はよくいます。
ただ、ちょっと気になるのは、この方の場合、血液検査をしてみたら、TARCではなく、IgEのほうが上昇していた点です。
ということで、長期試用再開しました。
この方の、毎年9月頃の悪化(カポジではおそらくない)の原因が何かですが、普通に考えれば、夏→秋の、温湿度の変化です。皮膚の衣替えがすぐに対応できなくて、一時的に悪化する患者はよくいます。
ただ、ちょっと気になるのは、この方の場合、血液検査をしてみたら、TARCではなく、IgEのほうが上昇していた点です。
IgEのこのような上昇は、脱ステロイド直後を除いては、通常、アレルゲンへの暴露後の反応です。またゆっくりとおさまってはいくでしょうが。
季節的な温湿度の問題だけであれば、このようなIgEの上昇はしないはすです。
とはいえ、この季節に関係したアレルゲンというのが、どうも思いつかないです。
あえて候補を挙げるなら、花粉かなあ。顔から悪化始まってるようだし。ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどです(→こちら)。
仮にそうだとしても、転地くらいしか対策思いつかない(現在は田舎のほうにお住まいです)ので、すぐには難しいでしょう。年に一度二度のことですから、我慢して凌ぐのが現実的かもしれません。今はまだ、もちろん駄目ですが、将来(5年、10年先)、この時期だけに軽く悪化するようであれば、この時期だけステロイド外用で抑えるのはありです。
他に長期試用に入った方々のうち、ケース2の方は、リバウンドの最中に切れてしまって、更新が出来なかった運転免許証の再取得に先日成功されたそうですし、ケース8の方もときどきメールが入るのですが、順調なようです。
アイピーディ軟膏については、ケース4の方とケース14の方で試用中です。ケース4の方は、一週間経た時点で電話で確認したところ「効いているようだ」とのことなので、再来時を楽しみにしています。
ケース10の方と15の方は、同じくクロフィブラートnon-responderで、現在はそれぞれステロイド少量内服、プロトピック軟膏外用を、別のクリニックで処方受けている旨の連絡をいただいていますが、アイピーディ軟膏外用を試みてみたいということであれば処方できますので、時期を見て予約のお電話をください。
2012.11.11
季節的な温湿度の問題だけであれば、このようなIgEの上昇はしないはすです。
とはいえ、この季節に関係したアレルゲンというのが、どうも思いつかないです。
あえて候補を挙げるなら、花粉かなあ。顔から悪化始まってるようだし。ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどです(→こちら)。
仮にそうだとしても、転地くらいしか対策思いつかない(現在は田舎のほうにお住まいです)ので、すぐには難しいでしょう。年に一度二度のことですから、我慢して凌ぐのが現実的かもしれません。今はまだ、もちろん駄目ですが、将来(5年、10年先)、この時期だけに軽く悪化するようであれば、この時期だけステロイド外用で抑えるのはありです。
他に長期試用に入った方々のうち、ケース2の方は、リバウンドの最中に切れてしまって、更新が出来なかった運転免許証の再取得に先日成功されたそうですし、ケース8の方もときどきメールが入るのですが、順調なようです。
アイピーディ軟膏については、ケース4の方とケース14の方で試用中です。ケース4の方は、一週間経た時点で電話で確認したところ「効いているようだ」とのことなので、再来時を楽しみにしています。
ケース10の方と15の方は、同じくクロフィブラートnon-responderで、現在はそれぞれステロイド少量内服、プロトピック軟膏外用を、別のクリニックで処方受けている旨の連絡をいただいていますが、アイピーディ軟膏外用を試みてみたいということであれば処方できますので、時期を見て予約のお電話をください。
2012.11.11