「本当は怖い『脱ステロイド』:アトピー性皮膚炎の治療」というサイトについて(2)
http://blogs.yahoo.co.jp/d_d_e8e/1720966.html
の、コメント欄に興味深い記述があります。
の、コメント欄に興味深い記述があります。
という質問に対して、
と回答しています。
EBM(Evidence based medicine)というのは、こちらにも記しましたが、「二次情報(ガイドラインなど)を鵜呑みにせずに、その由来となった原著論文、さらにその中の、論文著者の解釈ではなく、データおよびその採集方法・統計手法などを批判的吟味・再検討したうえで、自分自身の診療に反映させる」診療態度を言います。
ーーーーー(ここから引用)-----
「この論文は、ステロイド外用量が不十分なため、もっとしっかり外用しないといけないと述べています」
「つまり、脱ステロイドを主張する方が、論文の主旨とは違う用途で一部の数字のみを抜き出して都合よく使っているんです。このような論文の趣旨に反するような引用の仕方は、紳士的でなく、ある種のルール違反です。」
ーーーーー(ここまで引用)-----
と記していますが、論文の著者である古江先生による、データの解釈は本当に正しいか?を批判的に考える姿勢こそがEBMです。ですから、EBMとは、「紳士的」とか「ルール」とは、真っ向から対立するものなのです。
このブログの管理人が、「自分は、このデータからは、ステロイドの外用量が足らないためだと考えます」というコメントであれば、EBMの精神にのっとっていると言えますが、「著者の解釈を即していない引用の仕方は紳士的でない」という非難は、EBMに逆行するものです。このあたりが、私が最初に記した、「このブログ管理人は、もし医師であるとすれば、若いのではないか?」と考える所以です。未熟さを感じます。
EBM(Evidence based medicine)というのは、こちらにも記しましたが、「二次情報(ガイドラインなど)を鵜呑みにせずに、その由来となった原著論文、さらにその中の、論文著者の解釈ではなく、データおよびその採集方法・統計手法などを批判的吟味・再検討したうえで、自分自身の診療に反映させる」診療態度を言います。
ーーーーー(ここから引用)-----
「この論文は、ステロイド外用量が不十分なため、もっとしっかり外用しないといけないと述べています」
「つまり、脱ステロイドを主張する方が、論文の主旨とは違う用途で一部の数字のみを抜き出して都合よく使っているんです。このような論文の趣旨に反するような引用の仕方は、紳士的でなく、ある種のルール違反です。」
ーーーーー(ここまで引用)-----
と記していますが、論文の著者である古江先生による、データの解釈は本当に正しいか?を批判的に考える姿勢こそがEBMです。ですから、EBMとは、「紳士的」とか「ルール」とは、真っ向から対立するものなのです。
このブログの管理人が、「自分は、このデータからは、ステロイドの外用量が足らないためだと考えます」というコメントであれば、EBMの精神にのっとっていると言えますが、「著者の解釈を即していない引用の仕方は紳士的でない」という非難は、EBMに逆行するものです。このあたりが、私が最初に記した、「このブログ管理人は、もし医師であるとすれば、若いのではないか?」と考える所以です。未熟さを感じます。
この論文は、わたしもブログで取り上げていますのでご参照ください(→こちら)。
質問者は、表を見て、
ーーーーー(ここから引用)-----
「表6で、ステロイド使用量は『幼児の50%値:コントロール良好群20gに対してコントロール不良群30g、小児の50%値:コントロール良好群40gに対してコントロール不良群60g、思春期・成人の50%値:コントロール良好群75gに対してコントロール不良群140g』となっています。不十分な外用とは言い難いのでは?」
ーーーーー(ここまで引用)-----
と素朴な疑問を発しています。これはEBM的な考え方です。これに対して、ブログ管理者は、
ーーーーー(ここから引用)-----
「本文の説明を読まれていらっしゃいますか?『コントロール不良群の全ての方が、コントロール不可能ではなかったかもしれない。なぜならば、コントロール不良群も6ヶ月の50%値は量が少ない(表6)』と書いてあります。古江先生のおっしゃりたい部分は、むしろ量が少ないと論じています。」
ーーーーー(ここまで引用)-----
と回答しています。すなわち、著者である古江先生は、こう解釈している、という答え方をしています。これは、論文のEBM的な読み方ではありません。
なおかつ、そもそも古江先生は、本文でその直前に「ステロイド外用剤はアトピー性皮膚炎の治療に有用であるが、ステロイド外用量を増やしても『悪い』ままである一部の患者群がいるようである。」と記しています。古江先生の解釈を歪めて伝えようとしているのは、ブログ管理者のほうです。
最後の「コントロール不良群の6ヶ月の総量にしては、ちょっと少ないと思います」というこの一行は、ブログ管理者自らの解釈といえます。私はこのような解釈が成り立つことを否定はしません。依存に陥っておらず、外用量を増やせば、コントロール可能な患者もいるでしょう。しかし、その一方、これ以上いくら外用量を増やしても改善しない、ステロイド依存に陥っている患者もまた居る、ということもまた事実です。その根拠は、例えば先日紹介した患者(→こちら)は、6ヶ月間で825g、混合希釈した量にして、この倍のステロイド外用を行っていたコントロール不良群ということになりますが、外用一切中止によって、きれいに改善してしまっています。「コントロール不良群は外用量不足にすぎない。ステロイドが効かなくなる例は存在しない」というデータ解釈を否定するには、この一例の引用だけで論理的に十分です。
http://blogs.yahoo.co.jp/d_d_e8e/1870153.html
のコメント欄には、
質問者は、表を見て、
ーーーーー(ここから引用)-----
「表6で、ステロイド使用量は『幼児の50%値:コントロール良好群20gに対してコントロール不良群30g、小児の50%値:コントロール良好群40gに対してコントロール不良群60g、思春期・成人の50%値:コントロール良好群75gに対してコントロール不良群140g』となっています。不十分な外用とは言い難いのでは?」
ーーーーー(ここまで引用)-----
と素朴な疑問を発しています。これはEBM的な考え方です。これに対して、ブログ管理者は、
ーーーーー(ここから引用)-----
「本文の説明を読まれていらっしゃいますか?『コントロール不良群の全ての方が、コントロール不可能ではなかったかもしれない。なぜならば、コントロール不良群も6ヶ月の50%値は量が少ない(表6)』と書いてあります。古江先生のおっしゃりたい部分は、むしろ量が少ないと論じています。」
ーーーーー(ここまで引用)-----
と回答しています。すなわち、著者である古江先生は、こう解釈している、という答え方をしています。これは、論文のEBM的な読み方ではありません。
なおかつ、そもそも古江先生は、本文でその直前に「ステロイド外用剤はアトピー性皮膚炎の治療に有用であるが、ステロイド外用量を増やしても『悪い』ままである一部の患者群がいるようである。」と記しています。古江先生の解釈を歪めて伝えようとしているのは、ブログ管理者のほうです。
最後の「コントロール不良群の6ヶ月の総量にしては、ちょっと少ないと思います」というこの一行は、ブログ管理者自らの解釈といえます。私はこのような解釈が成り立つことを否定はしません。依存に陥っておらず、外用量を増やせば、コントロール可能な患者もいるでしょう。しかし、その一方、これ以上いくら外用量を増やしても改善しない、ステロイド依存に陥っている患者もまた居る、ということもまた事実です。その根拠は、例えば先日紹介した患者(→こちら)は、6ヶ月間で825g、混合希釈した量にして、この倍のステロイド外用を行っていたコントロール不良群ということになりますが、外用一切中止によって、きれいに改善してしまっています。「コントロール不良群は外用量不足にすぎない。ステロイドが効かなくなる例は存在しない」というデータ解釈を否定するには、この一例の引用だけで論理的に十分です。
http://blogs.yahoo.co.jp/d_d_e8e/1870153.html
のコメント欄には、
という問いがあります。「脱ステロイドは治療法ではなく単なるステロイドの副作用報告」というのは、私が本ブログを通じて訴えてきたことで、私の訴えに耳を傾けてくれたかたかな?とうれしいです。
「ステロイドは皮膚のバリア破壊があるため、連用は避けるべきではないでしょうか?」との問いに対し、
「ステロイドは皮膚のバリア破壊があるため、連用は避けるべきではないでしょうか?」との問いに対し、
ブログ管理人は、上記のように答えています。この回答の文章そのものは正しいですが、問いに対する答えとしては不適切です。問いは「連用して皮膚のバリアが破壊されるということはないのか?」と、連用の場合を聞いています。Aという質問に対してBと答えたとまではいかないまでもA’と答えた、かわした、という印象です。正しくは、「ステロイドは短期的には皮膚バリアを修復する作用があるので有用だが、長期連用すると、皮膚バリアが破壊されます。使用する場合には、そのことを念頭に、長期連用は避けなければなりません。」でしょう。
2011.12.22
2011.12.22