アトピー性皮膚炎のステロイド外用剤離脱のデュピルマブによるコントロール
表記のような論文(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6172441/)がアメリカ皮膚科学会雑誌(JAAD)に掲載されましたので情報提供です。実際にどのくらいステロイド離脱後のリバウンド調節に有益であるのかという点については、デュピルマブを中止した後の経過が記載されていないのでまだ慎重に判断しなければならないと思いますが、5人の患者の皮疹面積が平均61%から16%まで減少するなど、少なくとも投与中は効果があるようです。
特筆すべきは、この論文の著者は序文で、「ステロイド外用剤離脱またはステロイド依存は、あまり理解されていないが、ステロイド外用剤の不適切な使用による独立した副作用である。」と、明確にステロイド依存という病態の存在を認めており、「アトピー性皮膚炎の患者」ではなく「ステロイド外用剤離脱(ステロイド依存)の患者」を対象としたと明記されている点です。当然、ステロイドの再投与はされていません。
ところで、日本ではデュピルマブ(デュピクセント)による治療を受ける場合には、ステロイド外用剤の併用が前提のようです。添付文書上は下記の通りで、明確に書かれているわけではありませんが、この文脈を素直に読めば、ステロイドを使用していない離脱中の患者には、まずステロイド外用剤を勧めましょう、となりますし、デュピルマブ使用中もステロイド外用剤は減量されないでしょう。
=====
効能又は効果に関連する使用上の注意
1. ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤等の抗炎症外用剤による適切な治療を一定期間施行しても、十分な効果が得られず、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶ患者に用いること。
2. 原則として、本剤投与時にはアトピー性皮膚炎の病変部位の状態に応じて抗炎症外用剤を併用すること。
3. 本剤投与時も保湿外用剤を継続使用すること。
(http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00067283.pdf)
=====
一方、英語サイトでは、明確に“DUPIXENT can be used with or without topical corticosteroids.(デュピクセントはステロイド外用剤と併用してもしなくてもよい)“”と記されています(https://www.dupixent.com/ のINDICATIONの項)。
もしも、ステロイド外用剤は使いたくないが、デュピクセントはリバウンドを抑えるために試してみたい、という方がいて、皮膚科医から「ステロイド外用剤を併用しなければだめです」と言われたら、英語版サイトを見せて交渉してみてはいかがでしょうか?
本論文には、私の著したTopical steroid addiction in atopic dermatitisという論文(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4207549/)も引用されていました。非常にゆっくりではありますが、変化は生じていると信じたいです。
H30.10.13記
特筆すべきは、この論文の著者は序文で、「ステロイド外用剤離脱またはステロイド依存は、あまり理解されていないが、ステロイド外用剤の不適切な使用による独立した副作用である。」と、明確にステロイド依存という病態の存在を認めており、「アトピー性皮膚炎の患者」ではなく「ステロイド外用剤離脱(ステロイド依存)の患者」を対象としたと明記されている点です。当然、ステロイドの再投与はされていません。
ところで、日本ではデュピルマブ(デュピクセント)による治療を受ける場合には、ステロイド外用剤の併用が前提のようです。添付文書上は下記の通りで、明確に書かれているわけではありませんが、この文脈を素直に読めば、ステロイドを使用していない離脱中の患者には、まずステロイド外用剤を勧めましょう、となりますし、デュピルマブ使用中もステロイド外用剤は減量されないでしょう。
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効能又は効果に関連する使用上の注意
1. ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤等の抗炎症外用剤による適切な治療を一定期間施行しても、十分な効果が得られず、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶ患者に用いること。
2. 原則として、本剤投与時にはアトピー性皮膚炎の病変部位の状態に応じて抗炎症外用剤を併用すること。
3. 本剤投与時も保湿外用剤を継続使用すること。
(http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00067283.pdf)
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一方、英語サイトでは、明確に“DUPIXENT can be used with or without topical corticosteroids.(デュピクセントはステロイド外用剤と併用してもしなくてもよい)“”と記されています(https://www.dupixent.com/ のINDICATIONの項)。
もしも、ステロイド外用剤は使いたくないが、デュピクセントはリバウンドを抑えるために試してみたい、という方がいて、皮膚科医から「ステロイド外用剤を併用しなければだめです」と言われたら、英語版サイトを見せて交渉してみてはいかがでしょうか?
本論文には、私の著したTopical steroid addiction in atopic dermatitisという論文(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4207549/)も引用されていました。非常にゆっくりではありますが、変化は生じていると信じたいです。
H30.10.13記
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