ケース9、11,12のその後
ケース9、11,12の方が、新たに長期試用にエントリーしました。治験前、2週、4週、休薬後2週の様子をまとめておきます。
ケース9
治験は、0週→2週:白色ワセリン、2週→4週:クロフィブラート軟膏でした。
皮疹経過は下図の通りです。潮紅の範囲が縮小しむくみも取れてきています。2週間休薬後の再燃はなさそうです。
ケース9
治験は、0週→2週:白色ワセリン、2週→4週:クロフィブラート軟膏でした。
皮疹経過は下図の通りです。潮紅の範囲が縮小しむくみも取れてきています。2週間休薬後の再燃はなさそうです。
血液検査値の推移は下のようです。クロフィブラート軟膏使用の2週→4週で低下しており、一応、クロフィブラート奏効例との判断に一致します。ただし、もともとTARCがあまり高くなかったので、偶然の変動かもしれません。
患者の自覚評価であるVAS値は、30→25→15→13と、順調に改善しています。たまたま治験が、離脱後のリバウンドの回復期に一致しただけとも考えられますが。
ケース11
治験は、0週→4週ともクロフィブラート軟膏でした。2週間の休薬後、自己評価VAS値は85→70→50→50と不変ですが、皮疹上はわずかにぶり返しがあります。この点本人に確認すると「一週間めくらいから、足のほうから少し再燃してきたようだ」とのことでした。
ケース11
治験は、0週→4週ともクロフィブラート軟膏でした。2週間の休薬後、自己評価VAS値は85→70→50→50と不変ですが、皮疹上はわずかにぶり返しがあります。この点本人に確認すると「一週間めくらいから、足のほうから少し再燃してきたようだ」とのことでした。
血液検査は下の通りです。
10年のステロイド外用歴があり、「一番強いもので効かなくなって」離脱して3年、ずっと悪い状態が続いていたようですから、今回の経過は、クロフィブラート軟膏が効いたと判断してよさそうです。気になるのは、皮疹の分布・性状が、依存・リバウンドというよりも、古典的なアトピー性皮膚炎に近い点です。ケース1と同じく、リバウンドではなく、外界からの悪化因子に対する皮膚バリア強化として働いたのかもしれません。
もし、今後(たとえば来年の夏前)に、また悪化があるようなら、何か季節的な悪化因子が絡んだ、通常のアトピー性皮膚炎かもしれません。このまま、良くなってしまうようなら、依存・リバウンドの皮疹で、クロフィブラート軟膏がリバウンドをショートカットしてくれた、と考えられます。経過待ちです。名古屋市の無料のダニ調査をすすめました。
ケース12
この方は依存ではない、通常のアトピー性皮膚炎で、治験は、0週→2週:白色ワセリン、2週→4週:クロフィブラート軟膏でした。2週間休薬後の再燃はなさそうです。自覚的VASは、75→50→45→30と改善しています。
もし、今後(たとえば来年の夏前)に、また悪化があるようなら、何か季節的な悪化因子が絡んだ、通常のアトピー性皮膚炎かもしれません。このまま、良くなってしまうようなら、依存・リバウンドの皮疹で、クロフィブラート軟膏がリバウンドをショートカットしてくれた、と考えられます。経過待ちです。名古屋市の無料のダニ調査をすすめました。
ケース12
この方は依存ではない、通常のアトピー性皮膚炎で、治験は、0週→2週:白色ワセリン、2週→4週:クロフィブラート軟膏でした。2週間休薬後の再燃はなさそうです。自覚的VASは、75→50→45→30と改善しています。
血液検査は下の通りです。
ケース11と同じく休薬後も低下傾向が続いています。
以上をまとめました。クロフィブラート奏効と判定されたケースは、
以上をまとめました。クロフィブラート奏効と判定されたケースは、
です。
全員 3ヵ月間徹底的にクロフィブラートを外用してもらい、再び休薬を試みます。休薬から再燃までの期間が、今回よりも延長していれば、クロフィブラートで依存現象は起きていない、治癒傾向にある、と判断します。
もしも、3ヶ月以前に「ほとんど良くなった」という場合には、その時点で休薬開始しますので、ご連絡ください。クロフィブラート外用剤(軟膏・エマルジョンなど)は、無くなったら遠慮せずに連絡してください。遠方の場合は宅急便で発送します。
また、ケース1、11、12の方は、リバウンドではなく、何らかの環境系要因による悪化が考えられます。それが解除されていないと、休薬で悪化が起こり得ます。とりあえずダニ調査・ペット対策くれぐれもお願いします。
一方、クロフィブラート無効と判定したケースは、
全員 3ヵ月間徹底的にクロフィブラートを外用してもらい、再び休薬を試みます。休薬から再燃までの期間が、今回よりも延長していれば、クロフィブラートで依存現象は起きていない、治癒傾向にある、と判断します。
もしも、3ヶ月以前に「ほとんど良くなった」という場合には、その時点で休薬開始しますので、ご連絡ください。クロフィブラート外用剤(軟膏・エマルジョンなど)は、無くなったら遠慮せずに連絡してください。遠方の場合は宅急便で発送します。
また、ケース1、11、12の方は、リバウンドではなく、何らかの環境系要因による悪化が考えられます。それが解除されていないと、休薬で悪化が起こり得ます。とりあえずダニ調査・ペット対策くれぐれもお願いします。
一方、クロフィブラート無効と判定したケースは、
です。
このうち、ケース5は、ステロイド外用しながら、食物アレルゲン(お米)検索中です。ケース4は、クロフィブラートのエマルジョンにて、4週間の再検中です。電話によれば「若干炎症が抑えられているような気はする」とのことです。ケース10は、もう少し涼しくなって、ワセリン基剤が使えるようになったら、クロフィブラート再検します。AVANDIA(PPARγ)の軟膏も準備中です。ケース3は、遠方なのでフォローアップが難しいですが、とりあえず経過を逐次コメント欄など通じてご連絡いただければ、アドバイスなどサポートします。
思えば、自分が、ステロイド依存やリバウンドの患者を診ることになったのは、ステロイド外用治療でうまくいかない患者を、性格的に、無視できなかったからでした。今回、せっかく臨床試験に参加していただいたのに、クロフィブラートに反応しませんでした、残念でした、で終わらせるのは、忍びないです。また根を詰めすぎて体調を崩すことを恐れますので、これ以上多くの患者を診ることはできませんし、臨床試験の方とも、ずっとお付き合いもできないでしょうが、とりあえず一年間は、クロフィブラートに反応しなかった方に対しても、知恵を絞って対応させていただきますので、よろしくお願いいたします。
2012.09.24
このうち、ケース5は、ステロイド外用しながら、食物アレルゲン(お米)検索中です。ケース4は、クロフィブラートのエマルジョンにて、4週間の再検中です。電話によれば「若干炎症が抑えられているような気はする」とのことです。ケース10は、もう少し涼しくなって、ワセリン基剤が使えるようになったら、クロフィブラート再検します。AVANDIA(PPARγ)の軟膏も準備中です。ケース3は、遠方なのでフォローアップが難しいですが、とりあえず経過を逐次コメント欄など通じてご連絡いただければ、アドバイスなどサポートします。
思えば、自分が、ステロイド依存やリバウンドの患者を診ることになったのは、ステロイド外用治療でうまくいかない患者を、性格的に、無視できなかったからでした。今回、せっかく臨床試験に参加していただいたのに、クロフィブラートに反応しませんでした、残念でした、で終わらせるのは、忍びないです。また根を詰めすぎて体調を崩すことを恐れますので、これ以上多くの患者を診ることはできませんし、臨床試験の方とも、ずっとお付き合いもできないでしょうが、とりあえず一年間は、クロフィブラートに反応しなかった方に対しても、知恵を絞って対応させていただきますので、よろしくお願いいたします。
2012.09.24